八月の狂詩曲を見た感想

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今まで恥かしながら黒澤明監督作品を見たことがなかったのですが、先日「八月の狂詩曲」を鑑賞しました。

芥川賞受賞小説 『鍋の中』を原作とした、長崎を舞台に、被爆者とその周りの人々の心情を描いた作品です。

原作を読んだことはないのですが、原作とは全く別作品として捉えた方がいいタイプの作品だったと思います。いくつも強烈な印象を残すシーンがあるのですが、全体としてみると何かギクシャクした感じが否めません。登場人物の中でおばあちゃんだけが現実にいそうな感じで、それ以外の主な登場人物はわかりやすすぎるというか、子供たちは純粋無垢、アメリカかぶれの親たちは浅ましい乞食のように描かれていてアニメのキャラのように現実感がありません。このあたりは映画オリジナルなのかなーと思ってみたり。序盤から強烈な違和感があるんですが、逆にこれが印象に残るといえば間違いなくそうで、意図して作っているのかなー。意味はよくわかんないけど、すっごい強烈な印象に残るっていう感じは2001年宇宙の旅を観たときの感じに近い気がします。

冒頭の長崎の田舎の風景は正真正銘の日本の夏という映像でリアリティーに満ちていてとてもよかったです。

ラストの雨の中おばあちゃんが走っていくシーンも素晴らしい映像でした。追いかけている子供や親たちの方が転んでいくシーンは反戦映画として、核兵器の恐ろしさを描いたというよりは、戦後の日本の家族の関係性を描いている側面の方が強いのかなと個人的には思いました。

鑑賞し終わった後にはいろいろ考えるところもあり、良くも悪くも一筋縄で評価できるような作品ではないようです。

他の黒澤作品もしっかりみないと駄目ですね。

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